犬と言えばシロ

桃太郎、花咲じいさんなどの昔話に出てくる犬は「シロ」と呼ばれるか、白色をしていることが多い。
桃太郎は鬼を退治して財宝を得て、花咲じいさんは犬が黄金を掘り当てる。両者に共通するのは金だ。

陰陽五行説

陰陽五行説は、陰と陽の二つの要素と木・火・土・金・水の五つの要素(五行)で世界・宇宙が成り立っているとする中国で生まれた考えだ。

五行にはそれぞれ対応する色があり
木ー青 新芽や新緑の緑 古代では緑を青という 緑なのに青信号というのも古代からの流れ
火-赤 炎の色 みたままである
土ー黄 砂の色 黄砂というように中国では砂は黄色だった
金ー白 金属が光る様子 金はゴールドではなく金属のこと
水ー黒 空の色を映す海の色ではなく、川の淵で淀んでいる暗い色

これを見るとなぜ犬がシロ、もしくは白色なのかが分かる。白と金はセットなのだ

鉄を求める人々

鉄の産地では、犬を連れて狩りに出かけた猟師が鉄を見つけるという話がある。
真弓忠常著の「古代の鉄と神々」では、犬とは山に精通している「山伏」のことであると書いてあった。
これは本に書いてあったものではなく想像だが、山伏の服は白い。白い犬を表しているのではないかと思った。

神聖な生き物

神話に出てくる生き物も、神社の由来に出てくる生き物も、黄金に輝いているか白色をしていることが多い。
白い鶏、白馬、白鹿などなど。白色の純潔・清廉のような見た目から受けるイメージもあるが、白い生き物の伝承があるところには金(鉄)が関わっているかもしれない。

いつもと違った視点で神の使いを見てみるのも面白いだろう。