
真夏の飛鳥探訪
夏真っ盛りの七月中旬、古代史を楽しむために奈良県橿原市から奈良県明日香村へ自転車で行くと、帰りは楽だが行きは上り坂が多いのできつい。風がある時は飛鳥川や近くの田んぼの水のおかげで涼しいが、無風のときは汗が止まらない。
とにかく日陰を求めていきついたのが甘樫丘だったが、さすが蘇我蝦夷・入鹿が選んだ地だけはある。甘樫丘は夏の暑さを忘れるくらい緑あふれて涼しいのだ。
飛鳥を見下ろして気分は蘇我大臣
「飛鳥里山クラブ」の皆さんのおかげで甘樫丘は自然あふれる里山となっている。展望台までの道には木々が生い茂り、木の近くには木の名前を当てるクイズが書かれた板がある。
緑と虫の声を楽しみながら、緩やかな坂道を十分ぐらいかけてゆっくり上ると飛鳥と橿原を見渡せる展望台についた。展望台には大和三山や名所が書かれたテーブルがあり、今見えているものが何かすぐに分かるようになっている。
飛鳥を一望できる一等地に館を構えることができた蘇我氏の権力の大きさを改めて知ることができた。
一休みはぜひ甘樫丘で
百聞は一見に如かずを思い知らされる古代史の現場探訪だが、辿り着くのに一苦労の場所もある。そんな時、甘樫丘のように心地よい風が吹き、一息入れられるともう一つだけスポットを巡ってみようかなという気持ちになる。古代から名所だっただろうが今でも名所なのはボランティアの皆さんのおかげだろう。
訪れる遺跡の数々も放っておいたら消えてなくなってしまう。それが消えていないのも多くの人のおかげだ。
顔も知らない人のおかげで古代史を楽しめていることに、あらためて感謝する一日だった。